夕暮れリリィ

「アスマっ」



アスマの目を見る。



澄んだアスマの目にあたしが映る。



なぁにと小首をかしげるアスマ。



大きく息を吸い込んだ。



もう、今しかチャンスはない。




「あたしねっ、アスマのことが好き」




空気が変わる。



「な、なに、メイナ。そんなの前から知ってる…」



「ちがうっ」



はぐらかそうとするアスマを離すまいと目と目を合わせる。




「あたしの好きはアスマと恋人になりたいって意味の好き」
< 39 / 45 >

この作品をシェア

pagetop