~best friend~ふたりで図る距離(こい)の行方。
「ん,んーん。何があったか分からないけど,残念だったね。も,うすぐ2ヶ月だったのに……次のこ,早く見つかればいいね」
嘘だよ,嘘。
次の女の子なんて,特別なんて見つけないで。
誰にも見つからないで,私のとなりにいてよ。
2ヶ月だなんてわざわざ覚えていたのは,早くそんな時間が過ぎ去ればいいと思っていたから。
もう,あんな毎日は嫌だ。
こんな気持ちを抱いたまま,誰かの彼氏になった彼方の隣に立って。
自分の存在が情けなくなって。
帰ってくれるだけすごくあり得ない話なのに,彼女が用事のある時だけ一緒に下校して。
当たり前なのに,彼方にだけ都合がいいように感じて。
勝手に悔しくて,悲しくて,傷ついて。
「ん……当分いーかな。彼女も,そんなにいいものじゃ無かったかも。次はもっと慎重に考える」
「うん,そっか。難しいよね」
分かったように返す今が,とても嬉しい。
そんな自分が,恥ずかしい。