愛してる

愛してる

私は、パソコンに文字を打ち込み終わると隣に置いてあったコーヒーに手をつける。
「終わったの?」
そう言って、君はあの頃と同じ笑みを浮かべる。
「終わったよ。ごめんね。長くなって。」
「いいよ、全然。」
君はそういって、優しく笑う。
「相変わらず、熱中すると、周りが見えなくなるところ変わらないよね。」
彼女は、あの頃のように優しい笑みを浮かべる。その隣では、少し目つきの悪い男が眠っている。その視線に気づいたのか、彼女は彼を見ながら、呟く。
「昨日、徹夜だったみたい。ゆっくり寝かせてあげて。」
「徹夜でも、唯とは、離れたくないんだろうね。矢島のやつ。」
「えっ?」
私は、二人の手元を指さす。そこには、恋人繋きをした手がみえる。
唯は幸せそうな笑みを浮かべた。
「そういえば、凜。話は、書けた?」
「うん。書けたよ。」
「それは、良かった。協力したかいがあった。」
「凜、俺のことは無視?」
私と唯が話していると、さっきまで黙っていた彼が、少し寂しそうにしながら笑う。
「ごめんね。朔。そろそろ行こっか。」
私は、そういって、席を立つ。
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