この結婚には愛しかない

「病める時も健やかなる時も、死ですら2人を分かつことができないくらい莉央を愛すよ」


伊織さんの指輪を手に取り、伊織さんの左手に自分の手を添える。

「私も誓います。伊織さんと出会ってからずっと、これからもずーっと大好きです」


今度は私が伊織さんの薬指に指輪をはめた。骨ばった長い指に、シンプルな指輪がすごく似合っている。

「初めてのお揃いですね」

「そうだね。でもこれからたくさん増えるよ」

「記念に新しい観葉植物をお迎えしたいです」

「いいね。名前は?」

「...もちろん伊織さんです」

「違うよ。どんな種類が聞いたんだよ」

「意地悪な伊織さんも大好きです」


お互い期待した通りの答えで、笑って、キスをして。

あ、そうだとスマホを取り出した伊織さんと写真を撮った。


金曜の夜から、写真フォルダに2人の写真がたくさん増えた。

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