この結婚には愛しかない
「明日のお戻りは20時頃でしたよね?駅まで車でお迎えに上がってもいいですか?社に戻られるならお送りさせてください。それともホテルに直帰されるならホテルまで」
『莉央の家に直帰させてくれないの?』
「来ていただけるんですか?」
『泊まっていい?水曜は一緒に出社しよう』
「はい!もちろんです!」
『でもね、また言葉遣いが凄いよね。酷い敬語は莉央からキスね。それとも、キスしたくてわざと敬語でしゃべる?』
「...伊織さんは時々意地悪です」
『そう?いつも莉央を愛してるよ』
言葉に詰まって。笑って。
電話でずっと繋がっていたくて、なかなか切れなかった。
電話を切ってから、明日は軽めのお夜食をお作りしたいな。何がいいかなと考えながら、いつの間にか眠りに落ちた。