この結婚には愛しかない
なんと、私たち夫婦のもとに一卵性の双子の赤ちゃんが来てくれたのだ。

いつもあんなに堂々と会社を導いてくださる神田専務が、私に対してだけこんなに心配性で過保護になる姿は、ずっと独り占めしたい。


最近はお腹もふっくらしてきた。

妊娠がわかってからずっとつわりが酷くて、おまけに切迫早産気味だと診断され、1ヶ月近く自宅で安静を余儀なくされた。

伊織さんは可能な限りリモートワークに切り替えて、そばに居てくださった。出張先では、夜ホテルでずっとビデオ通話で繋がっていてくれた。


どうしてもという日は、実家から母が来てくれたし、仕事終わりに佐和が何度も会いに来てくれた。

長谷川くんや大森室長も頻繁にメッセージをくれた。伊織さんのお義母さんや、お義姉さんたちも。

相変わらず、たくさんの人から優しさをもらっている。


「伊織さん。ママになって家族が増えても、私のことずっと愛してくださいね」

「もちろんだよ。明日は改めて神に誓うよ。莉央を生涯愛すると。いつも幸せをありがとう」

「私もです伊織さん。愛してます。こちらこそ、毎日幸せにしてくださってありがとうございます」



強い憧れが、いつ恋になったのかわからない。


初めから恋だったのかもしれないし、愛だったのかもしれない。



そして、愛してやまない伊織さんに、今でもずっと恋してる。



【完結】
< 217 / 348 >

この作品をシェア

pagetop