この結婚には愛しかない
「長谷川くんにはもっと成長欲しいと思ってるし、できると期待してる。殻を破ってがんばって欲しい」

いつもの微笑。でも真剣な眼差しを向けられ武者震いがした。

この人に期待してるなんて言われて、喜ばんやつおる?


「俺が仕事も資格取得もがんばっちゃったら神田さん焦りますかね」

「ははっ、どうかな、莉央にはしばらく他に優先することがあるから」

「なんですか?え!他部署に異動ですか?」

「ああ違うよ、そうじゃなくて...ね」

ね、って言われたもピンと来ない。それを察した専務が俺にトドメを刺した。


「そろそろ子どもが欲しいから」

「(マジか...)」


きっつ。それきついわ。

そこまでの心構えがまだできてない。


1番の男友達ポジで幸せ願うとか、まじ口だけ。まだ俺には早かった。しんど。
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