この結婚には愛しかない
*
「絶対彼女いるよ。しかもあんな塩対応しちゃって印象最悪だし。もうダメ無理」
「佐和だってこんなに美人なのに彼氏いないんだから、聞いてみなきゃ分からないって」
「りおりお好き」
「ちょっと待ってください。今“好き”って聞こえたんですけど誰が誰を?」
仕事終わりに、休憩スペースの4人掛の丸テーブルで莉央と作戦会議をしていたら、長谷川爽太が乱入してきた。
空いた席の背もたれを持ち、あからさまに莉央に寄せて座る。
ほんとこの子、莉央のこと好きだよね。それなのに莉央本人には一切好きバレしてないって、いいのか悪いのか。
あ、長谷川くんは私が気付いてることも知らない。
はっきり聞いた訳じゃないけど、莉央は人間関係のトラブルで転職したらしい。だから社内の人間、特に男性に対しての警戒心が強い。
莉央とは2年前に同じタイミングで転職してきて、すごく可愛い子だから仲良くなりたかったんだけど、全然心を開いてくれなくて。
仲良くなるのは時間がかかったけど今は大親友。
そして莉央にとって長谷川くんは、心を許せる数少ない異性。
でも莉央は、会えなくなってからもずっと神田さんを想い続けてて、それを知らない長谷川くんは莉央を...
2人を思うと切なくなる。
「絶対彼女いるよ。しかもあんな塩対応しちゃって印象最悪だし。もうダメ無理」
「佐和だってこんなに美人なのに彼氏いないんだから、聞いてみなきゃ分からないって」
「りおりお好き」
「ちょっと待ってください。今“好き”って聞こえたんですけど誰が誰を?」
仕事終わりに、休憩スペースの4人掛の丸テーブルで莉央と作戦会議をしていたら、長谷川爽太が乱入してきた。
空いた席の背もたれを持ち、あからさまに莉央に寄せて座る。
ほんとこの子、莉央のこと好きだよね。それなのに莉央本人には一切好きバレしてないって、いいのか悪いのか。
あ、長谷川くんは私が気付いてることも知らない。
はっきり聞いた訳じゃないけど、莉央は人間関係のトラブルで転職したらしい。だから社内の人間、特に男性に対しての警戒心が強い。
莉央とは2年前に同じタイミングで転職してきて、すごく可愛い子だから仲良くなりたかったんだけど、全然心を開いてくれなくて。
仲良くなるのは時間がかかったけど今は大親友。
そして莉央にとって長谷川くんは、心を許せる数少ない異性。
でも莉央は、会えなくなってからもずっと神田さんを想い続けてて、それを知らない長谷川くんは莉央を...
2人を思うと切なくなる。