この結婚には愛しかない
莉央の女性らしい身体をなぞる手を阻まれる。

「お仕事がんばってくださいね」

否定しなかった可愛い妻を、まあ当然抱かずにいられないよね。


遅めのモーニングを食べながら、愛し合ったばかりでまだ頬が赤らんでいる莉央と会話をしながら、じわじわと込み上げてくる幸せに浸る。

恋人を飛び越えて夫婦になることができたのは、莉央が勇気を出してくれたから。

本当にありがとう。

愛おしすぎて暴走しないように気をつけるね。でも俺の愛重いから。...どうかな。


なんて危惧していたけど、莉央も俺に負けないくらい、俺を愛してくれていたんだね。


観葉植物に俺の名前をつけて、大切に育ててくれてたなんて、嬉しすぎるよね。

たった2日間で、3年間がんばったご褒美がもらえたよ。


翌日もご褒美は続いていて、正式に夫婦になって、お揃いの指輪と莉央に、愛を誓った。


「病める時も健やかなる時も、死ですら2人を分かつことができないくらい莉央を愛すよ」

「私も誓います。伊織さんと出会ってからずっと、これからもずーっと大好きです」

手を取りあって、キスをして、写真を撮った。


たくさん写真を撮ろう。たくさん話そう。たくさん笑おう。

離れていた距離を埋めて、これからを一緒に生きよう。


わがままを言って困らせてくれていいんだよ。

想像できないけど、喧嘩もしよう。なんでも一緒に乗り越えよう。


だって、この結婚には愛しかないから。
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