この結婚には愛しかない
【番外編③-3】-side神田伊織-
【番外編③】
3.愛の奇跡
「伊織さん?」
「ごめん起こした?」
ベッドの上の莉央が眩しそうに目を細めながら上半身を起こした。
既に仮住まいだったホテルを出た俺は、引越しまでの数日間、莉央のマンションに住まわせてもらっている。
大型家具と家電の多くが新居に搬入済みなのに、肝心の寝具が1番遅く、その搬入日に合わせて引越すことにした。
この部屋も徐々に退去準備が進み、引越し業者のダンボール箱が隅に重ねて置いてある。
ソファーに座って仕事のメールチェックをしていた俺を、ベッドから降りた莉央が、ソファーの背もたれ越しに後ろから抱きしめてくれた。
ふわり、莉央の匂いと温もりに包まれる。
首に回された腕、背中に重なる少し高めの体温が、じわじわと肩や体の凝りを解してくれる。
「まだ起きてたんですか?今何時...」
「ん、1時過ぎかな」
「そんな時間まで...」
寝ぼけているのか、莉央から頬にキスをくれ、「ぎゅー」と声に出しながら、ハグしてくれる腕に力を込めた。
「伊織さんの大きな背中がかっこよくて甘えちゃいました。でも服着てください」
「まいったな。この可愛すぎる妻は俺をどうしたいのかな」
「まいったな。優しくてかっこよすぎる上に仕事がんばりすぎる夫は私をどうしたいんですかね」
えへへ、真似しちゃいました。と笑いながら頬ずりしてくる妻。スルスルと頬が滑る。
3.愛の奇跡
「伊織さん?」
「ごめん起こした?」
ベッドの上の莉央が眩しそうに目を細めながら上半身を起こした。
既に仮住まいだったホテルを出た俺は、引越しまでの数日間、莉央のマンションに住まわせてもらっている。
大型家具と家電の多くが新居に搬入済みなのに、肝心の寝具が1番遅く、その搬入日に合わせて引越すことにした。
この部屋も徐々に退去準備が進み、引越し業者のダンボール箱が隅に重ねて置いてある。
ソファーに座って仕事のメールチェックをしていた俺を、ベッドから降りた莉央が、ソファーの背もたれ越しに後ろから抱きしめてくれた。
ふわり、莉央の匂いと温もりに包まれる。
首に回された腕、背中に重なる少し高めの体温が、じわじわと肩や体の凝りを解してくれる。
「まだ起きてたんですか?今何時...」
「ん、1時過ぎかな」
「そんな時間まで...」
寝ぼけているのか、莉央から頬にキスをくれ、「ぎゅー」と声に出しながら、ハグしてくれる腕に力を込めた。
「伊織さんの大きな背中がかっこよくて甘えちゃいました。でも服着てください」
「まいったな。この可愛すぎる妻は俺をどうしたいのかな」
「まいったな。優しくてかっこよすぎる上に仕事がんばりすぎる夫は私をどうしたいんですかね」
えへへ、真似しちゃいました。と笑いながら頬ずりしてくる妻。スルスルと頬が滑る。