この結婚には愛しかない
【番外編③-5】-side神田伊織-
【番外編③】
5.トツキトオカ
東京駅構内の喫煙スペース。その近くのイスに座り、昼休憩中の莉央と電話をしながら細谷の一服が終わるのを待っていた。
戻ってきた細谷が俺の隣に座ってすぐ、スマホで新幹線の時刻表を確認し始めた。
「ごめん細谷が戻ってきた。うん、うん、これからそっちに戻って出社する。うん、今日は早く家に帰れると思う。ありがとう。莉央、愛してるよ」
「ちょ、電話で嫁に甘い声で愛してるよって、一体どんな顔して...うわやっば、色気ダダ漏れのイケメンだったー」
通話を終了し声の主を見ると、なんとも呆れ顔だ。
「ははっ、お前面白いね」
「いや神さん、こんなド平日の東京駅でやめてよ。こっちが照れるわ」
「お前は奥さんに電話しなくていいの?」
「いやうちはいいですよ。腹減りましたね。お高い駅弁とノンアルビールで乾杯しながら帰りましょうよ」
「そうだね」
「でもやりましたね。これで半導体事業が何とか踏ん張れますね」
「ああ、よかった」
人混みをすり抜けながら、八重洲側に移動を始めた。
5.トツキトオカ
東京駅構内の喫煙スペース。その近くのイスに座り、昼休憩中の莉央と電話をしながら細谷の一服が終わるのを待っていた。
戻ってきた細谷が俺の隣に座ってすぐ、スマホで新幹線の時刻表を確認し始めた。
「ごめん細谷が戻ってきた。うん、うん、これからそっちに戻って出社する。うん、今日は早く家に帰れると思う。ありがとう。莉央、愛してるよ」
「ちょ、電話で嫁に甘い声で愛してるよって、一体どんな顔して...うわやっば、色気ダダ漏れのイケメンだったー」
通話を終了し声の主を見ると、なんとも呆れ顔だ。
「ははっ、お前面白いね」
「いや神さん、こんなド平日の東京駅でやめてよ。こっちが照れるわ」
「お前は奥さんに電話しなくていいの?」
「いやうちはいいですよ。腹減りましたね。お高い駅弁とノンアルビールで乾杯しながら帰りましょうよ」
「そうだね」
「でもやりましたね。これで半導体事業が何とか踏ん張れますね」
「ああ、よかった」
人混みをすり抜けながら、八重洲側に移動を始めた。