この結婚には愛しかない
「次のお休みは予定ありますか?都合が合えば一緒に病院、」「行く!絶対行く!」

「よかった。本当はちゃんと病院で検査してからお祝いした方がいいかなと思ったんですけど、気づいたらスーパーで手巻き寿司の買い物しちゃってました」

「うん、はあ、嬉しすぎて...ちょっとごめん、莉央抱きしめたい」


たまらず莉央のそばに行くと、莉央も立ち上がって小さく両手を広げて待っていてくれて。

力いっぱい抱きしめそうになり、慌てて力をゆるめた。


「何となく身体に違和感があって、もしかしてと思って昨日仕事から帰ってすぐ検査したんです」

「そうなの?でも昨日の夜電話した時何も言ってなかったけど」

「内緒にするって大変ですね。嬉しくて言いたくて言いたくて。でも直接、伊織さんのお顔を見ながら報告したかったんです」

「うん。嬉しい。莉央ありがとう。本当にありがとう」


胸がいっぱいで食べられないかと思ったのに、しっかり食べて、莉央が風呂に入っている間に手紙を読んだ。

俺との子どもができたことの喜びと、俺への感謝。俺をどれだけ愛しているかを綴ってくれていて、また泣きそうになった。


俺こんなに涙もろくて、これから親になるのに大丈夫か?


強さと涙脆さを兼ね備えた異色のヒーローでも、莉央なら喜んで受け入れてくれるよね。
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