この結婚には愛しかない
「ベビーグッズの準備はまだ早いかな?名前も考えなきゃ、2人分」

「伊織さん安心してください。安静期間中にベビーグッズのリサーチを開始して絶賛継続中です。名前も常に考えてます」

「ははっ、さすがだね」

キリッと自信を表情に表したかと思えば、いつものような優しい顔に戻り、俺の首に腕を回して身体をさらにくっつけて甘えてくる。

可愛いくて仕方なくて、さらさらと指通りのいい髪を撫でる。


「でも名前は伊織さんと一緒に考えたいです」

「うん。そうだね」

「子どもたちへの最初のプレゼントだから」

「そっか、そうだねプレゼントか」

「双子っぽい名前が可愛いなって思うんですけど、一卵性だから性別一緒だし顔もそっくりですよね?だったらせめて名前は全然違う方がいいかなとか、いろいろ考えて楽しんでます」

「いいね。俺も考えるね」

「伊織さん...」

瞬きが増え、眠そうな莉央。


「私本当に幸せです。伊織さんと結婚できて、大好きな伊織さんの子ども...子どもがたくさん欲しい...伊織さんの夢を叶えられて...でも3人は欲しいです...伊織さん......」

「お疲れ様。しっかり休んで」


睡魔に負けた莉央に、心が温かくなって満たされて、俺もいつの間にか眠ったんだけど、夢でも莉央がいて。

よく覚えてないんだけど、俺の腕の中で甘えながら、「伊織さん」と名を呼んでくれた。


翌朝目を覚ましたら、現実の莉央が名前を呼んでくれて、「おはようございます」と笑顔で頬にキスをくれた。


目が覚めても夢の続きのような現実に、思わず声を出して笑った。

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