この結婚には愛しかない
それは…正直わからない。

「私がストーカーのようにメッセージ送り続けてるから?」

「ほら。説明出来ないでしょ。少なからず好意がなきゃ特別扱いするわけない。次の予定まで時間ないのに莉央に会いに行こうとしてたんでしょ?」

「もし佐和の言うとおりだとしたら、もう何も思い残すことはないよ」

「何言ってんの。まだ始まってもないから。これからだよ。莉央そんな可愛いのに、なんでそこまで自分に自信がないかな。そりゃ、肩書き専務って...ちょっと偉すぎるけど」


もう寝ようと言って部屋の電気を消し、自己肯定感の低さの原因を告白した。前職を辞めることになった理由を。

支店長のこと以外にも、親しかった人たちに嫌われたこともすごく辛かった。こうなったのは全て私が悪いんだと、自分を責めた。

長谷川くんの好意に気づかなくて鈍感だと揶揄されたけど、人から向けられる敵意に過敏になりすぎているからかも知れないと、自分なりの見解を話した。


「日本人の同調圧力ほんと無理。てかまじムカつくわ。あの銀行には貯金しない。まあ口座持ってないけど」

それが、うちの会社のメインバンクがそことふたば銀行なのだけれど。と言葉を飲み込む。
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