この結婚には愛しかない
「私が今の彼氏に一目惚れした時、莉央が応援してくれて本当に心強かった。佐和は美人、佐和は佐和はってすごい褒めてくれたおかげで自信が持ててアプローチできた」


それから寝落ちするまで、今の私の気持ちを聞いてもらった。

うんうんって相槌打ちながらたくさん聞いてくれて、たくさん佐和の考えも話してくれた。


社会人になって、会社という組織に属し、絶望した。人生で一番辛い時期だった。

絶望の中で差し伸べてくださった手を掴んだ結果、夜でもこうして駆けつけてくれる親友と出会えた。

そして同じ時、人生を変えてくださって、3年後の今日、救世主として戻ってきてくださった人にも出会えた。


もう現状で十分幸せじゃない？と思う自分がいる。

でももう一方で、退職を覚悟の上で、神田さんに想いを伝えたい自分もいる。

長谷川くんの言う通り、神田さんに告白して断られて、長谷川くんと付き合うのも選択肢。長谷川くんに愛されたら幸せだろうなと思う。

でもそうなったらこの会社では働けない。いつまで経っても神田さんを引きずるから。


神田さん。恋人か奥様はいらっしゃいますか？


眠りに落ちる瞬間に脳裏に浮かんだのは。

「Loveの好きだって」

佐和の言葉だった。

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