この結婚には愛しかない
ホテルに着き、1度部屋に荷物を置きに行かれた神田専務と合流した後、上層階にあるレストランにエスコートしてくださった。

豪華な内装のレストランはピアノの生演奏。テーブル上にはキャンドルが揺れ、私たちが案内された窓際の席から見える夜景は絶景。

目の前には大好きな人。


こんなご褒美、私は前世にどんな徳を積んだんだろう。

いくら今日は誕生日だからって、普段頑張ってるご褒美レベルじゃないことは確か。


「夜景がすごくキレイですね」

「ああ、小泉さんに見惚れてたから夜景にまで目がいかなかったよ」

「神田さん、そんな」

「いつもかわいいけど、今日はその上とても綺麗で、ドキドキして直視できないよ」

「え、今すごく目が合ってますよね?」

「ははっほんとだ」

いつだって余裕な神田さん。私の気も知らないで、冗談を言って...

ううん、もしかしたら私の緊張を解してくださってるのかもしれない。


「勝手にコース頼んであるけど大丈夫だよね?シャンパンで乾杯したら白ワイン飲もう。好きだったよね?」

「なんでも食べれます。白ワイン大好きです。ありがとうございます」

「2回目のデートを楽しもうね」

「はい!もうすでにとっても楽しいです」


それから程なくして運ばれてきたシャンパンで乾杯をした。


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