この結婚には愛しかない
「もちろんだよ。というわけで罰ゲームね。“承知致しました”“してくださいませんか”って、プライベートで口にする言葉じゃないよね。これちょっとごめんね」
そう言って、紙袋をソファーの端にどかされた。
「申し訳、あ、いえ、すみません」
「ははっ冗談だよ。例えゲームでも小泉さんに罰なんか与えられないよ。ん、...そうだな。お礼が欲しいな」
「お礼ですか?」
「そ、キスがいいな。ここでいいから」
神田さんが指さされたのは頬で。
にこにこと微笑んでいる頬が、指で押されてえくぼみたいでかわいくて。
じ、と見つめられ、覚悟を決めた。
「(えいっ!)」
一瞬だけ、触れるか触れないかのほんの一瞬頬に触れた唇。自分の顔が燃えるように熱くなっていくのがわかる。
「じゃあ俺からもお返しするね」
「(え?)」
ちゅ、ちゅ、と2度、私の頬に神田さんの唇が触れる。
「莉央」
優しく、優しく名前を呼ばれ。
「莉央?」
甘えるように請われ、じっと目を見つめられると、ロックがかかったように目が離せない。
「伊織さん...」
ふ、と口角が上がった伊織さんの唇が、唇に触れた。
そう言って、紙袋をソファーの端にどかされた。
「申し訳、あ、いえ、すみません」
「ははっ冗談だよ。例えゲームでも小泉さんに罰なんか与えられないよ。ん、...そうだな。お礼が欲しいな」
「お礼ですか?」
「そ、キスがいいな。ここでいいから」
神田さんが指さされたのは頬で。
にこにこと微笑んでいる頬が、指で押されてえくぼみたいでかわいくて。
じ、と見つめられ、覚悟を決めた。
「(えいっ!)」
一瞬だけ、触れるか触れないかのほんの一瞬頬に触れた唇。自分の顔が燃えるように熱くなっていくのがわかる。
「じゃあ俺からもお返しするね」
「(え?)」
ちゅ、ちゅ、と2度、私の頬に神田さんの唇が触れる。
「莉央」
優しく、優しく名前を呼ばれ。
「莉央?」
甘えるように請われ、じっと目を見つめられると、ロックがかかったように目が離せない。
「伊織さん...」
ふ、と口角が上がった伊織さんの唇が、唇に触れた。