この結婚には愛しかない
「莉央を想う気持ちを全身で伝えるよ」
「伊織さん」
「莉央もそうしてくれると嬉しい」
「はい...大好きです」
「本当にかわいい。愛してるよ」
「私もです。私もです伊織さん」
「2人で抱き合って愛を伝えあって、2人で気持ちよくなろう」
耳元で伊織さんの声を受け、ぞく、と体が震えた。
伊織さんがワンピースを脱がしていく。するすると上から下にずらしながら、顕になる素肌にキスを落とす。
恥ずかしくて胸元を隠す私の手を繋いで阻み、その代わりに、肌を合わせ、ぎゅ、と抱きしめてくれる。
素肌が重なり、ドクドクと打ち付ける2人の心音も重なる。
「ほらわかる?俺も心臓ヤバいでしょ」
「伊織さん」
「莉央に名前を呼ばれるたびに鎖骨の辺が軋むよ。こんな感覚初めてだ」
「わたしも、ドキドキしすぎて心臓が止まりそうです」
「それは困るな」
そう言って、部屋の照明を小さくした。