Heart magic
「そ、本那桜也。こんなとこで会うなんて偶然ですね。」

なんて、バクバク驚いてたのは私だけらしい。


何事もなかったかのように言って、カウンター席の私の隣に腰を掛けた。




「本那くんはどうしてここに?家こっちなの?」

私は少し気持ちを落ち着かせてから再び尋ねる。




「桜也でいいっすよ。」




返ってきたのは答えじゃなくて違うこと。
そして、何も変化もなくて、何気なく放たれた言葉だったと思う。



「あっ、うん…。」


思わず私は頷いた。



なんで、私はこんなに5歳も年下相手に色々気を遣って振り回されているのだろうか。


さすがにやばすぎる、しっかりしないと。


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