Heart magic
「で、さっきの質問の答えですけど、家は全くこっちじゃないです。家は星珱大学前駅らへんなんで。」


「あ、そうなの?私と桜花先輩、そこの大学出身なんだよね。」

意外な地名が出てきたことに驚いた。




星珱(せいおう)大学。



この辺の辺りでは有名な国立大学だ。


私は国文学科に、桜花先輩は栄養学科に通っていたのだ。





「知ってますよ。そのときに姉貴が俺の家に遊びに来て、家荒らして帰りましたから。それも何回か。」


まじで、片付けが大変だったんすよ……、と当時を思い出したのか、苦いものを食べたように顔をしかめている。



なんか……、桜花先輩らしいや。

見た目は変わっても桜花先輩は変わっていなくて少し安心した。




……以前会ったとき置いて行かれた気分になってしまったから。



私はそんな安堵もこもった笑いをこぼした。

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