Heart magic
「うん、そうだよ。……葉宮夜叶って小説家知ってる?」
少しためらったが、桜花先輩の弟だから別に本当のことを話してもいっかと思って、私の正体を明かすことに決める。
「まぁ。ネットでめっちゃ話題になってるから。それに幼馴染におすすめされて彼女の本、呼んだこともあるんで。」
話がずれたと思ったのか目を丸くしたが、ちゃんと答えてくれた。
それは、素直に嬉しい。
というか私の小説がネットで話題になっているなんて、普通に初めて知ったかも。
自分の話を読んでもらえると認めてもらえたみたいで嬉しいから。
あとは……、
少しでも誰かの救いになっていたらいいなぁ…っていうのは淡い私の願望。