Heart magic





「……っ!!……そう、だよね。」



涙をこらえて、笑った。
相当不格好な笑顔だったと思う。






「……どうして、わかったわけ?ポーカーフェイスしてたからわからないと思ってたのに。」


きまり悪そうにしながらも、声色は相当驚いているよう。



こうやって、隠すから……誰も桜也の本心に気づいてないんだろうな、って私は思う。






「……小説家舐めないでよ。人の感情を緻密に書いてるんだから人の感情の変化ぐらい分かるよ。……いつも、幼馴染の話をするとき優しい表情に変わってたよ。」


私の言葉に桜也はハッとして自分自身に呆れるように笑いをこぼした。


そんな姿に私は目をぎゅっと瞑って涙をこらえた。



………本当に、幼馴染が大好きなんだね…っ。



< 32 / 50 >

この作品をシェア

pagetop