あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
『まぁ。そう言われているね。とりあえず、そこに座りなさい』
殺気立っているようなコリーンを落ち着かせるために、ヘンリーは彼女をソファに促した。
『どうして、ウリヤナなの? どうして? ねぇ、どうして?』
ダンダンとその場で床を力強く踏みしめている。
『私だって、魔術師になれるだけの魔力があるって言われたのよ? 私が魔術師にさえなっていれば、クロヴィス殿下の婚約者になれたかもしれないのに。将来の王太子妃よ?』
『落ち着きなさい。コリーン』
『これが、落ち着いていられる? ねぇ、お兄さま。どうして? どうしてなの?』
『いいから、コリーン。落ち着くんだ……これ以上騒ぐようなら、父さんがやってくる』
ヘンリーのその言葉に、コリーンは「ひっ」と息を呑んだ。髪は乱れ、目も充血している。
『とにかく、そこに座りなさい』
急におとなしくなったコリーンは、ヘンリーの言葉に素直に従う。
『クロヴィス殿下にはまだ婚約者がいらっしゃらなかった。そこに聖女様が現れたのなら、そうなるのが自然だろう?』
王太子と聖女。
権力があり地位のある男女。
となれば、そうなるのが自然なのだ。誰も文句は言わない組み合わせ。
『国家魔術師では、王太子の婚約者にはなれないよ』
コリーンは爪を噛んだ。
殺気立っているようなコリーンを落ち着かせるために、ヘンリーは彼女をソファに促した。
『どうして、ウリヤナなの? どうして? ねぇ、どうして?』
ダンダンとその場で床を力強く踏みしめている。
『私だって、魔術師になれるだけの魔力があるって言われたのよ? 私が魔術師にさえなっていれば、クロヴィス殿下の婚約者になれたかもしれないのに。将来の王太子妃よ?』
『落ち着きなさい。コリーン』
『これが、落ち着いていられる? ねぇ、お兄さま。どうして? どうしてなの?』
『いいから、コリーン。落ち着くんだ……これ以上騒ぐようなら、父さんがやってくる』
ヘンリーのその言葉に、コリーンは「ひっ」と息を呑んだ。髪は乱れ、目も充血している。
『とにかく、そこに座りなさい』
急におとなしくなったコリーンは、ヘンリーの言葉に素直に従う。
『クロヴィス殿下にはまだ婚約者がいらっしゃらなかった。そこに聖女様が現れたのなら、そうなるのが自然だろう?』
王太子と聖女。
権力があり地位のある男女。
となれば、そうなるのが自然なのだ。誰も文句は言わない組み合わせ。
『国家魔術師では、王太子の婚約者にはなれないよ』
コリーンは爪を噛んだ。