あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
しかし、望む答えはもらえなかった。いや、条件付きとも言う。
レナートはすぐにそれらを文書にしたためて、自国のローレムバへと送った。ローレムバ国王の答えは『受け入れられない。もういいからさっさと帰ってこい』
そして、帰る途中に出会ったのがウリヤナだった。
鴨が葱を背負ってくるとは、まさしくこのことでは! と、当時のロイも思ったのだが、彼女には力がなかった。レナートはそれを知りながら、彼女を受け入れた。
この屋敷に戻ってくる間、レナートはイングラム国へ足を運んだ理由、ローレムバ国の現状を伝えた。
力を失った聖女であったが、彼女はやはり聖女であった。
『以前にも、似たような症状を見たことがあります。あのときは、少し力も使いましたが……。その村で使用している水を確認してください。原因不明の流行り病が流行るときは、共同で使っているものがあやしいのです』
レナートは、国王へ結婚の報告をするついでに、その言葉も伝えたらしい。
すぐさま、東の村には魔術師と騎士や医師たちが派遣され、井戸水の調査を行ったようだ。
医師の見解によると、流行り病はその井戸水に原因があったらしい。井戸水を浄化させて使い、今、体内にある病原菌を排出させることで、症状は落ち着くだろう。
ウリヤナのたった一言が、流行り病の原因を突き止めるきっかけとなった。
「まぁ、そうですね。奥様が似たような話を聞いたことがあったようで」
「奥様は、なんだって物知りなんだねぇ」
ウリヤナが聖女であったことは、誰も知らない。そもそも聖女の名がウリヤナであったことも、知られていない。
レナートはすぐにそれらを文書にしたためて、自国のローレムバへと送った。ローレムバ国王の答えは『受け入れられない。もういいからさっさと帰ってこい』
そして、帰る途中に出会ったのがウリヤナだった。
鴨が葱を背負ってくるとは、まさしくこのことでは! と、当時のロイも思ったのだが、彼女には力がなかった。レナートはそれを知りながら、彼女を受け入れた。
この屋敷に戻ってくる間、レナートはイングラム国へ足を運んだ理由、ローレムバ国の現状を伝えた。
力を失った聖女であったが、彼女はやはり聖女であった。
『以前にも、似たような症状を見たことがあります。あのときは、少し力も使いましたが……。その村で使用している水を確認してください。原因不明の流行り病が流行るときは、共同で使っているものがあやしいのです』
レナートは、国王へ結婚の報告をするついでに、その言葉も伝えたらしい。
すぐさま、東の村には魔術師と騎士や医師たちが派遣され、井戸水の調査を行ったようだ。
医師の見解によると、流行り病はその井戸水に原因があったらしい。井戸水を浄化させて使い、今、体内にある病原菌を排出させることで、症状は落ち着くだろう。
ウリヤナのたった一言が、流行り病の原因を突き止めるきっかけとなった。
「まぁ、そうですね。奥様が似たような話を聞いたことがあったようで」
「奥様は、なんだって物知りなんだねぇ」
ウリヤナが聖女であったことは、誰も知らない。そもそも聖女の名がウリヤナであったことも、知られていない。