あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
「もう、会わせたからいいだろ? 帰れ」
国王に向かってそのような暴言を吐くレナートに、ウリヤナは視線を向ける。
「レナート。あなた、どうしたの? わざわざお兄様がいらしてくれたのでしょう?」
「そうだぞ、レナート。お前の兄が、わざわざこんな辺境まで足を運んだのだ。もう少し労われ」
「労わる気にならない。だから、帰れ」
「ウリヤナ。申し訳ない、こんな気の利かない弟で」
「お前はウリヤナをウリヤナと呼ぶな」
「はいはい。お茶が入りましたよ。お菓子もいかがですか?」
このまま兄弟口喧嘩が勃発するのではと思ったところで、ロイがテーブルにお茶とお菓子を並べ始めた。
「ねぇ、ロイ。レナートっていつもこんななの?」
彼の耳元でささやくと、ロイは「そうですよ」と言葉を続ける。
「ウリヤナ様が心配されるのもわかりますが。レナート様は、ランベルト様とお会いになったときはこんな感じです。つまり、いつものことですから、お気になさらないでください。ということです」
「そうなのね?」
「そうそう。レナートは私と会うと、いつもこんな感じだ。素直じゃない弟をもつと、苦労する。だから、ウリヤナ。そんな弟はやめて、私のところにこないか?」
ランベルトの言葉の意味がわからず、ウリヤナは首を傾げた。
「私の第二妃にならないか?」
「え?」
国王に向かってそのような暴言を吐くレナートに、ウリヤナは視線を向ける。
「レナート。あなた、どうしたの? わざわざお兄様がいらしてくれたのでしょう?」
「そうだぞ、レナート。お前の兄が、わざわざこんな辺境まで足を運んだのだ。もう少し労われ」
「労わる気にならない。だから、帰れ」
「ウリヤナ。申し訳ない、こんな気の利かない弟で」
「お前はウリヤナをウリヤナと呼ぶな」
「はいはい。お茶が入りましたよ。お菓子もいかがですか?」
このまま兄弟口喧嘩が勃発するのではと思ったところで、ロイがテーブルにお茶とお菓子を並べ始めた。
「ねぇ、ロイ。レナートっていつもこんななの?」
彼の耳元でささやくと、ロイは「そうですよ」と言葉を続ける。
「ウリヤナ様が心配されるのもわかりますが。レナート様は、ランベルト様とお会いになったときはこんな感じです。つまり、いつものことですから、お気になさらないでください。ということです」
「そうなのね?」
「そうそう。レナートは私と会うと、いつもこんな感じだ。素直じゃない弟をもつと、苦労する。だから、ウリヤナ。そんな弟はやめて、私のところにこないか?」
ランベルトの言葉の意味がわからず、ウリヤナは首を傾げた。
「私の第二妃にならないか?」
「え?」