あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
「兄上……」
ふわっと、室内の温度が高くなったような気がした。
「うわわわわ。レナート様、落ち着いてください。そして陛下、レナート様を焚きつけるようなことは言わないでください。この屋敷、なくなりますよ」
「おいおい。お前はいつから冗談も通じない男になったんだ? 昔からか」
冗談と聞いて、ウリヤナも安堵する。
ふん、と鼻から荒く息を吐いたレナートは、お茶を飲む。
「まぁ、だけど。レナートがウリヤナと政略的に婚姻関係を結んだわけではないとこれでわかったよ。ウリヤナ、こんな弟だが、私にとっては可愛い弟でね」
どこがだ、と隣から聞こえてきた。
「どうか、レナートのことを末永く頼む」
ランベルトが頭を下げたため、ウリヤナは慌てる。
「へ、陛下。どうか頭を上げてください」
「う~ん。陛下、ではなくお義兄様と呼んでもらいたいなぁ」
「兄上……」
今度は室内の気温がひゅっと下がった。
「なんだよ。呼び方くらい、いいじゃないか」
「よくない。減る」
「減るってなんだ、減るって」
そんなくだらない兄弟のやりとりを、羨ましく思う。
ふわっと、室内の温度が高くなったような気がした。
「うわわわわ。レナート様、落ち着いてください。そして陛下、レナート様を焚きつけるようなことは言わないでください。この屋敷、なくなりますよ」
「おいおい。お前はいつから冗談も通じない男になったんだ? 昔からか」
冗談と聞いて、ウリヤナも安堵する。
ふん、と鼻から荒く息を吐いたレナートは、お茶を飲む。
「まぁ、だけど。レナートがウリヤナと政略的に婚姻関係を結んだわけではないとこれでわかったよ。ウリヤナ、こんな弟だが、私にとっては可愛い弟でね」
どこがだ、と隣から聞こえてきた。
「どうか、レナートのことを末永く頼む」
ランベルトが頭を下げたため、ウリヤナは慌てる。
「へ、陛下。どうか頭を上げてください」
「う~ん。陛下、ではなくお義兄様と呼んでもらいたいなぁ」
「兄上……」
今度は室内の気温がひゅっと下がった。
「なんだよ。呼び方くらい、いいじゃないか」
「よくない。減る」
「減るってなんだ、減るって」
そんなくだらない兄弟のやりとりを、羨ましく思う。