あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
15.彼女に愛を告げる日
レナートがウリヤナと出会ったのは、イングラム国のテルキの街の爆発事故がきっかけである。だが、その事実を周囲に伝えるのは少々面倒くさいと思っているため、その辺はいつも濁す。
旅先の宿で一緒になった。この一言で十分なのだ。
「レナート、ひとりか?」
夕食後のこの時間は、レナートもウリヤナも互いに一人の時間を過ごす。
「それで? なんの用だ? さっさと帰れと言っただろう?」
レナートの執務室にやって来たのは、ランベルトだった。
「レナート、ひどい。お兄ちゃん、泣いちゃう」
「三十過ぎた男が気持ち悪いな。ロイ、このうるさい兄を黙らせてやってくれ」
「はいはい」
レナートのこの言葉が、お茶を淹れて菓子でも出してやれと意訳できるのは、ロイくらいである。
彼が手際よくお茶を出すと、ランベルトは不思議そうに目を見開く。
「まぁ、そういう意味です」
ぼそりとロイがつぶやき、ランベルトは目を細めた。
「ウリヤナの側にいなくていいのか?」
「ロイ。黙らせろと言っただろ?」
そう言われたロイは肩をすくめる。
レナートはロイとランベルトを一瞥してから、小さく息を吐いた。
「まあ、いい。それで、なんの用だ」
旅先の宿で一緒になった。この一言で十分なのだ。
「レナート、ひとりか?」
夕食後のこの時間は、レナートもウリヤナも互いに一人の時間を過ごす。
「それで? なんの用だ? さっさと帰れと言っただろう?」
レナートの執務室にやって来たのは、ランベルトだった。
「レナート、ひどい。お兄ちゃん、泣いちゃう」
「三十過ぎた男が気持ち悪いな。ロイ、このうるさい兄を黙らせてやってくれ」
「はいはい」
レナートのこの言葉が、お茶を淹れて菓子でも出してやれと意訳できるのは、ロイくらいである。
彼が手際よくお茶を出すと、ランベルトは不思議そうに目を見開く。
「まぁ、そういう意味です」
ぼそりとロイがつぶやき、ランベルトは目を細めた。
「ウリヤナの側にいなくていいのか?」
「ロイ。黙らせろと言っただろ?」
そう言われたロイは肩をすくめる。
レナートはロイとランベルトを一瞥してから、小さく息を吐いた。
「まあ、いい。それで、なんの用だ」