あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
そのための『暗』なのだ。そういった、隠したいような情報をどこからか掴んでくるのが『暗』。
「ただね。あの男は、ウリヤナが聖女となる前にも、カール子爵家に打診をしていたようだよ? ウリヤナとの婚約を引き換えに、資金の援助をするとね」
その話の流れから、レナートだって察するところはある。
「弟イーモンを使って子爵家を窮地に落とし、そこに救いの手を差し伸べる。ウリヤナを条件に……というところか?」
「まぁ、その筋書きがすっきりするね」
話の流れはすっきりするもしれないが、レナートとしてはもやもやとしている。
「あの王太子クロヴィスは何を考えているか、さっぱりわからないな。お前以上にな」
そうやっていちいち人の感情を逆なでするような言い方をやめてもらいたいのだが、ここで反応すれば余計にランベルトを喜ばせてしまうだろう。
ただ、今の話を聞いているとクロヴィスはウリヤナに以前から執着しているようにも思えてくる。
「あのクロヴィスだが。なかなか根っこの深い男だと思うね」
クロヴィスのことは野放しにはできないだろうと思いつつも、先にイーモンをなんとかしたほうがいいだろう。
「イーモンの洗脳は解けてはいるのか?」
「どうだろうね。ローレムバの魔術師がかけた魔法だ。どのくらいの腕前の者か知らないが、あっちの人間では自力で解くのは難しいのではないか?」
「となれば、今も洗脳状態が続いているということか?」
何年もその状態が続いていたのだろうか。
「まぁ。カール子爵家には『暗』を送っておいたからな。何かあればそこから連絡がくる」
レナートは舌打ちをする。
「ただね。あの男は、ウリヤナが聖女となる前にも、カール子爵家に打診をしていたようだよ? ウリヤナとの婚約を引き換えに、資金の援助をするとね」
その話の流れから、レナートだって察するところはある。
「弟イーモンを使って子爵家を窮地に落とし、そこに救いの手を差し伸べる。ウリヤナを条件に……というところか?」
「まぁ、その筋書きがすっきりするね」
話の流れはすっきりするもしれないが、レナートとしてはもやもやとしている。
「あの王太子クロヴィスは何を考えているか、さっぱりわからないな。お前以上にな」
そうやっていちいち人の感情を逆なでするような言い方をやめてもらいたいのだが、ここで反応すれば余計にランベルトを喜ばせてしまうだろう。
ただ、今の話を聞いているとクロヴィスはウリヤナに以前から執着しているようにも思えてくる。
「あのクロヴィスだが。なかなか根っこの深い男だと思うね」
クロヴィスのことは野放しにはできないだろうと思いつつも、先にイーモンをなんとかしたほうがいいだろう。
「イーモンの洗脳は解けてはいるのか?」
「どうだろうね。ローレムバの魔術師がかけた魔法だ。どのくらいの腕前の者か知らないが、あっちの人間では自力で解くのは難しいのではないか?」
「となれば、今も洗脳状態が続いているということか?」
何年もその状態が続いていたのだろうか。
「まぁ。カール子爵家には『暗』を送っておいたからな。何かあればそこから連絡がくる」
レナートは舌打ちをする。