あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
毎日、何かに怯えるかのようにして、王城で身を潜めている。その「何か」は民の声だ。力を使うことを考えておくと言った彼女だが、それがまだ行動に移せていない。クロヴィスもあきれてはいるが、無理強いするとまた面倒くさいことになりそうで、あれ以上強く言えなかった。
今回のローレムバ国の訪問は、そんな彼女の気持ちを少しでも晴らせるのではないかと思っている。
ガタガタと不規則に揺れに、身体も痛くなる。コリーンは、うとうととしながらクロヴィスに身体を預けていた。
まずはテルキの街で一泊。そして国境の街ソクーレにある関所を越えれば、ローレムバ国となる。
目的地のザフロス辺境領は、関所を越えればすぐそこだ。
途中、休憩を取りながら馬車は進んでいく。
休憩中に目にした土地が痩せていることに気がつく。
そういえば、馬車の窓から見えた風景も、青々しさがない。
王都を離れれば、地方の現状に胸が痛む。
次第に日は沈んでいくものの、なかなか馬車は止まらない。テルキの街であれば、そろそろ到着してもいい時間である。
「アル。まだ、テルキには着かないのか?」
「そうですね」
そう答えたアルフィーの様子がいささかおかしい。
「どうか、したのか?」
「いえ……。殿下は、まだお気づきになられていないのですね。この国の、地方の現状に」
「なんだと?」
今回のローレムバ国の訪問は、そんな彼女の気持ちを少しでも晴らせるのではないかと思っている。
ガタガタと不規則に揺れに、身体も痛くなる。コリーンは、うとうととしながらクロヴィスに身体を預けていた。
まずはテルキの街で一泊。そして国境の街ソクーレにある関所を越えれば、ローレムバ国となる。
目的地のザフロス辺境領は、関所を越えればすぐそこだ。
途中、休憩を取りながら馬車は進んでいく。
休憩中に目にした土地が痩せていることに気がつく。
そういえば、馬車の窓から見えた風景も、青々しさがない。
王都を離れれば、地方の現状に胸が痛む。
次第に日は沈んでいくものの、なかなか馬車は止まらない。テルキの街であれば、そろそろ到着してもいい時間である。
「アル。まだ、テルキには着かないのか?」
「そうですね」
そう答えたアルフィーの様子がいささかおかしい。
「どうか、したのか?」
「いえ……。殿下は、まだお気づきになられていないのですね。この国の、地方の現状に」
「なんだと?」