あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
違法魔石を、ローレムバ国で安くやりとりをさせることが目的だったようだ。その魔石を用いた魔導具の質がよくなるわけもない。そのような魔導具を使えば、魔導具の暴走事故だって起こりやすくなる。
むしろここにクロヴィスの狙いがあったのだろう。しかし、これはテルキの街で失敗に終わる。
あの場にウリヤナがいたのは、たまたまだった。
彼女が爆発事故に巻き込まれたと聞いたクロヴィスは、気が気ではなかったようだ。
そんなクロヴィスはウリヤナが聖女となる前から、彼女に想いを寄せていたらしい。
だけどレナートはそれをウリヤナに教えるつもりはなかった。クロヴィスの狂った愛など、彼女は知らなくていい。いや、彼のその気持ちは「愛」とは呼ばない。
独占欲、もしくは支配欲だろう。すべてはクロヴィスの歪んだ欲が原因だ。
幼い頃から、アルフィーの持ち物を欲しがっていたという話も聞いている。
もしかしたら、そうやって歪むくらいに彼は情に飢えていたのかもしれない。だから、ウリヤナの愛情に魅せられたのだろう。
愛に飢えた獣は、間違いなく愛する者を求める。
だからレナートは、イーモンの件を調べると同時にすべてに根回しをした。
愛する者たちを彼に奪われないように――。
アルフィーはとっくにこちらの手に落ちた。もちろん『暗』を使ったのも理由の一つ。それ以外にも、アルフィー自身、思うところはあったのだろう。
日に日に悪化していくイングラム国の現状にも。
「ああ、ウリヤナ……。そういえば、クロヴィス殿からも返事が届いていたよ」
レナートたちの結婚披露パーティーと生まれた息子のお披露目パーティーは同時に開かれることになった。
むしろここにクロヴィスの狙いがあったのだろう。しかし、これはテルキの街で失敗に終わる。
あの場にウリヤナがいたのは、たまたまだった。
彼女が爆発事故に巻き込まれたと聞いたクロヴィスは、気が気ではなかったようだ。
そんなクロヴィスはウリヤナが聖女となる前から、彼女に想いを寄せていたらしい。
だけどレナートはそれをウリヤナに教えるつもりはなかった。クロヴィスの狂った愛など、彼女は知らなくていい。いや、彼のその気持ちは「愛」とは呼ばない。
独占欲、もしくは支配欲だろう。すべてはクロヴィスの歪んだ欲が原因だ。
幼い頃から、アルフィーの持ち物を欲しがっていたという話も聞いている。
もしかしたら、そうやって歪むくらいに彼は情に飢えていたのかもしれない。だから、ウリヤナの愛情に魅せられたのだろう。
愛に飢えた獣は、間違いなく愛する者を求める。
だからレナートは、イーモンの件を調べると同時にすべてに根回しをした。
愛する者たちを彼に奪われないように――。
アルフィーはとっくにこちらの手に落ちた。もちろん『暗』を使ったのも理由の一つ。それ以外にも、アルフィー自身、思うところはあったのだろう。
日に日に悪化していくイングラム国の現状にも。
「ああ、ウリヤナ……。そういえば、クロヴィス殿からも返事が届いていたよ」
レナートたちの結婚披露パーティーと生まれた息子のお披露目パーティーは同時に開かれることになった。