あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
 なにしろあの時期は、カール子爵家にとって資金繰りは火の車の状態であった。王命に背いたらあっという間に破産して、取り潰されてしまっただろう。
 神殿に行かせたくないと渋る父親を宥めたのもウリヤナ自身で、国王に交換条件を出したのもウリヤナだった。
 聖女を輩出した家には褒賞金を――。
 金に意地汚いと言われようが気にしなかった。
 むしろ、王族(そっち)のほう意地汚いだろうと思っているくらいだ。
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