あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
「あ、はい……」
レナートの勢いに負けてしまった気もする。だがウリヤナが押しかけたわけではなく、レナートが受け入れると言っているのだ。だからここは、素直にその好意を受け入れたほうがいいのだろう。
それでも返事はしたがいいが、本当に子を産んでいいのかどうかを悩んでいた。
実感はない。もしかしたら、レナートの嘘かもしれない。だが、月のものはきていない。
たくさんの推測が、ぐるぐると頭の中に浮かび上がっては、消えていく。
「迷っているのか? その……子を産むことを……」
「え?」
「お前の腹の子が不安がっている……」
「そうですね……父親のいない子になりますから」
だからといって、クロヴィスには絶対に伝えたくない。彼とはもう縁を切りたい。いや、切ったのだ。
そっと腹の上を撫でる。医者にもみてもらっていないし、まだわからない。
信じられないという気持ちがありながらも、レナートの言葉は素直に受け入れられる。
彼はゴクリと喉元を上下させた。それから、静かに言葉を紡ぐ。
「だったら……俺がその子の父親になってもいいか?」
レナートの勢いに負けてしまった気もする。だがウリヤナが押しかけたわけではなく、レナートが受け入れると言っているのだ。だからここは、素直にその好意を受け入れたほうがいいのだろう。
それでも返事はしたがいいが、本当に子を産んでいいのかどうかを悩んでいた。
実感はない。もしかしたら、レナートの嘘かもしれない。だが、月のものはきていない。
たくさんの推測が、ぐるぐると頭の中に浮かび上がっては、消えていく。
「迷っているのか? その……子を産むことを……」
「え?」
「お前の腹の子が不安がっている……」
「そうですね……父親のいない子になりますから」
だからといって、クロヴィスには絶対に伝えたくない。彼とはもう縁を切りたい。いや、切ったのだ。
そっと腹の上を撫でる。医者にもみてもらっていないし、まだわからない。
信じられないという気持ちがありながらも、レナートの言葉は素直に受け入れられる。
彼はゴクリと喉元を上下させた。それから、静かに言葉を紡ぐ。
「だったら……俺がその子の父親になってもいいか?」