あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
6.彼女と夫婦になる日
ウリヤナは、碧色の目を大きく見開いた。それはまるで、今の言葉が信じられないとでも言うかのよう。口がはくはくと開くけれども、言葉は出てこない。
「すまない、驚かせたようだな。まずは、隣に座ってもいいだろうか」
レナートがこうやって立って話をすると、威圧的に思うかもしれない。目が細いため、視線が鋭くなる。また、鬱陶しいほど長い黒髪も原因の一つであるとわかってはいる。だから、できるだけゆっくりと声をかけるようにしているのだ。
「あ、はい……」
彼女は少しだけ横にずれて、レナートが座る場所を大きく空けた。
「ありがとう」
レナートがゆったりと座る様子を、ウリヤナは真っすぐに見つめてくる。
「俺の顔に何か?」
「い、いえ……」
目が合うと、慌てて顔を逸らす。ほんのりと頬が紅色に染まっている。熱でもあるのだろうか。手を伸ばしかけて、やめた。
彼女は今、命を授かっている。もしかして体温が上がっているのかもしれない。
「先ほどのことだが……」
レナートが言いかけると、彼女はもう一度顔をあげた。また、目が合った。
吸い込まれそうな碧色の瞳は、まるで澄んだ湖のようにも見える。真っすぐに見つめるその瞳が、レナートの心を揺さぶる。
「……俺の国では、血のつながりよりも魔力のつながりを重視するんだ」
「魔力のつながり?」
「ああ。ローレムバは魔術の国だからな。魔力が親から子へと受け継がれる。その魔力は、胎児のうちに注がれるんだ」
レナートの話がよくわからないのか、ウリヤナは眉間にしわを刻む。
「すまない、驚かせたようだな。まずは、隣に座ってもいいだろうか」
レナートがこうやって立って話をすると、威圧的に思うかもしれない。目が細いため、視線が鋭くなる。また、鬱陶しいほど長い黒髪も原因の一つであるとわかってはいる。だから、できるだけゆっくりと声をかけるようにしているのだ。
「あ、はい……」
彼女は少しだけ横にずれて、レナートが座る場所を大きく空けた。
「ありがとう」
レナートがゆったりと座る様子を、ウリヤナは真っすぐに見つめてくる。
「俺の顔に何か?」
「い、いえ……」
目が合うと、慌てて顔を逸らす。ほんのりと頬が紅色に染まっている。熱でもあるのだろうか。手を伸ばしかけて、やめた。
彼女は今、命を授かっている。もしかして体温が上がっているのかもしれない。
「先ほどのことだが……」
レナートが言いかけると、彼女はもう一度顔をあげた。また、目が合った。
吸い込まれそうな碧色の瞳は、まるで澄んだ湖のようにも見える。真っすぐに見つめるその瞳が、レナートの心を揺さぶる。
「……俺の国では、血のつながりよりも魔力のつながりを重視するんだ」
「魔力のつながり?」
「ああ。ローレムバは魔術の国だからな。魔力が親から子へと受け継がれる。その魔力は、胎児のうちに注がれるんだ」
レナートの話がよくわからないのか、ウリヤナは眉間にしわを刻む。