あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
人がよすぎるとも言われるくらい、頼まれれば金を出していた。管理は家令に任せ、言われるがまま押印する。細かい数値のすり合わせなど確認していた様子もない。
なぜならばあの父親は、数字が苦手だからである。何代か前は商売を行っていた家系らしいのだが、その片鱗をまったく感じさせなかった。
だから、イーモンはその金を狙った。いや、父親に代わって資金を増やそうとしただけ。
だって儲け話を聞いてしまったから。
なによりもその儲け話に携わっているのは、あのアルフィー・ハウルであった。アルフィーは、当時はまだ王子であったクロヴィスの一番の友人であり、今となってはクロヴィスの側近を務めるような文官である。
学生であったイーモンは、仲のよい友人を通してその話を小耳に挟んだ。
ただでさえ豊かとはいえない家の状況を、少しでもよくして父親に認められたいという思いが働いた。数字に弱い父親よりも自分のほうが領主として相応しい。それを見せつけたかったのだ。
しかし、結果として騙された。
身分がしっかりとしている者からの紹介であったし、なによりもあのアルフィーがかかわっていたため、信用しきっていたというのもある。投資につぎこんだ金は、全部失われた。騙されたのだから仕方ない。
腹立たしいのは、イーモンにその話を紹介した友人は、そこに投資をしていなかった事実。結局、イーモンだけだったのだ。アルフィーの名に踊らされ、仲のよい友人を信用した結果がこの顛末。
さすがにそこまで資金が減れば、あの父親だって気づく。
それに、イーモンが勝手に資金に手をつけていたことをウリヤナは知っていた。
なぜならばあの父親は、数字が苦手だからである。何代か前は商売を行っていた家系らしいのだが、その片鱗をまったく感じさせなかった。
だから、イーモンはその金を狙った。いや、父親に代わって資金を増やそうとしただけ。
だって儲け話を聞いてしまったから。
なによりもその儲け話に携わっているのは、あのアルフィー・ハウルであった。アルフィーは、当時はまだ王子であったクロヴィスの一番の友人であり、今となってはクロヴィスの側近を務めるような文官である。
学生であったイーモンは、仲のよい友人を通してその話を小耳に挟んだ。
ただでさえ豊かとはいえない家の状況を、少しでもよくして父親に認められたいという思いが働いた。数字に弱い父親よりも自分のほうが領主として相応しい。それを見せつけたかったのだ。
しかし、結果として騙された。
身分がしっかりとしている者からの紹介であったし、なによりもあのアルフィーがかかわっていたため、信用しきっていたというのもある。投資につぎこんだ金は、全部失われた。騙されたのだから仕方ない。
腹立たしいのは、イーモンにその話を紹介した友人は、そこに投資をしていなかった事実。結局、イーモンだけだったのだ。アルフィーの名に踊らされ、仲のよい友人を信用した結果がこの顛末。
さすがにそこまで資金が減れば、あの父親だって気づく。
それに、イーモンが勝手に資金に手をつけていたことをウリヤナは知っていた。