溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

昨夜のパワーワードが何度も耳の奥でこだましていて離れないよ。


あんな言葉を口にするなんて。たぶん凄く怒っていて私に警告したかったんだろうな。


私はあまりに胸がドキドキしてしまい何も言えずにその場から逃げ出してしまった。


ハア、なんてバカなことをしちゃったんだろ。


反省してため息をついていると、晶ちゃんが慰めるようにこう言ってくれた。


「大丈夫だって。
たぶん紫音さんは怒ってなんていないから。
ちょっとびっくりしただけだよ。
元気出して」


「う、うん」


「それより、家の方は大丈夫なの？ちゃんとご飯とか食べてる？
なにか困ったことがあれば私にも頼ってよ」


私の手を握りながらちょっと真剣な口調になる晶ちゃん。


「ん、今のところはちゃんと生活できてるよ。
紫音には迷惑をかけちゃってるけど」