溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
このごろ、晶ちゃんも我が家の没落ぶりを知っていろいろと心配してくれている。


「ほんとに、なんでも協力するからね」


「晶ちゃんがこうして友達でいてくれるだけで充分だよ」


「若葉ー、もうこの子はほんとに」


そう言って私の頭を撫で撫でしてくれた。


えへへ、なんだか嬉しいな。


「私は若葉の味方だからね」


「うん、ありがとう晶ちゃん」


この学園は、特にうちのクラスは親の財力や社会的地位がそのまんま生徒自身のカーストに直結してる。


いまの私なんて最下層に違いないのに、こうして変わらずにいつも一緒にいてくれるんだ。


晶ちゃんみたいに優しい子が親友でいてくれて本当によかった。


紫音と晶ちゃんはどちらも私にとって大切な人。


我が家の没落がすすむにつれ、私はいろんなものを失ってしまったけれど。それでもこの2人は変わらずにいてくれる。

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