溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
心強い味方が2人もいる私はなんて幸せ者なんだろう。


晶ちゃんと手を取り合ってニコニコ笑っていたら、後ろから声をかけられた。


「お嬢様方、お話し中のところ大変申し訳ありませんが」


振り返ると、男性の執事がペコリと頭を下げている。


見覚えのない人だけど紫音と同い年くらいに見えた。


紫音に比べておとなしそうな雰囲気で声も小さい。


体型は小柄で清潔感のある短髪、女の子みたいな優しそうな顔立ち。


「あの、私達になにかご用ですか?」


「はい、如月若葉さまに」


「私……ですか?」


「はい、我が主人がお嬢様をお呼びですので、私に着いてきていただけないでしょうか?」


そう言ってさっきよりも低くお辞儀をしてくる。


「へ?あの誰が私を呼んでいるんですか?」


「それはまだ申し上げられないのですが。
どうかお願いします」


「でも……」
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