溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「ありがとうございます」


ほんの少し会っておしゃべりするくらいならいいかな。相手はこの学園の生徒だろうし。


「は?若葉なに言ってるのよ。人がよすぎるんだから」


晶ちゃんは、眉間に皺をよせて反対した。


「大丈夫だよ、紫音にも連絡をいれておくから」


「んー、それなら」


彼女を安心させようとそう言ったらようやく納得してくれた。


だけど、今度はその執事さんがにわかに慌てだす。


「紫音くんですか?
困ったな、彼は絶対に一緒に連れてくるなとの言いつけを受けているんです」


「はあ?あんたふざけてんじゃないわよっ」


「ちょ、晶ちゃん、落ちついて」


とうとう晶ちゃんは怒り出してしまい、彼をすごい勢いで睨みつけた。


「あんたの主人てどこのぼんくら男よ」


「は、はあ」


「言いなさいよっ」


「我が主人は決して怪しいものではありません。素晴らしい方ですよ」

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