溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
『水道光熱費やその他最低限の生活費はこれでまかなえます』


『女性客が多いかって?まあ、そうでもないですよ。
それに、お嬢様が心配されるようなことは何もありませんから』


って彼はなんでもないことのように笑っていたけど。


アルバイトとはいえ、彼に働かせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱい。


執事の報酬を支払えないばかりか、よそで働かせて貢がせているなんて。


そんなわけだから陰で誰に何を言われようと、反論できないので耐えるしかない。


それもこれも全部身から出た錆。


家にある現金をすべて使用人さん達の退職金にと渡してしまったから。


この先の生活費がまったく無くなっちゃったんだ。


だけど、あの後よくよく考えて私からも提案してみたことがあったんだけど、彼に絶対ダメだって却下された。
< 121 / 341 >

この作品をシェア

pagetop