溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
正直なところほんとは彼を他家で働かせたくない。


パーティーで女の子達に囲まれている姿を想像するだけで、モヤモヤして嫌な気分になる。


彼をしょっちゅうバイトで雇ってくれる立石さんって人はきっと彼を気に入ってるんだと思う。 


どんなお嬢様なんだろう。


紫音のこと、もしかしてそういう意味で好きだったりするのかな。


ちょっぴり不安だよ。


私の大切な執事が誰かに取られちゃうんじゃないかって。

 
でもさすがにそれは恥ずかしくて言えない。


お金が必要だから仕方がないってわかってるくせにそんなこと言える立場じゃないから。


彼は私のために執事バイトをしてくれてるんだし。


私っていつからこんな自分勝手なお嬢様になっちゃったんだろ。


「まあ社会勉強にもなるし楽しいと言えば楽しいです、、、かね」


言葉を慎重に選ぶように言って曖昧に笑う彼。

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