溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
だから、私もどんなに辛くてもたとえ1人になっても我慢しなきゃって思っていた。


だけど、いざとなるとやっぱりひとりぼっちはつらくて寂しすぎて折れかけていた。


でも、彼が一緒にいてくれたら、どんなに心強いか。


「旦那様達を信じて頑張りましょう。俺がお嬢様をお支えしますから」


慰めながら私の手をそっと握る執事。


「うん、ありがとう」


手を握り返してちょっとだけ微笑んだ。


「手が冷たくなっています」


「ちょっと寒くて。紫音の手はあったかいね」


「そうですか?自分ではわからないですけど」


「顔の血色もよくないな。大丈夫ですか?」


私の頬に彼の手が触れると一瞬、胸がトクンと甘く鳴ったような気がした。


「それはいつもだよ、昔から顔が白過ぎてユーレイみたいって言われたことある」


「それ、ひどいですね。
そんなことを言う奴は俺がボコしますよ」
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