溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

彼の口角が楽しそうに上がると、私もつられて頬が緩んだ。


「もう、あと少しだけだからねっ。あっ、私、重くないかな？」


「あはは、軽い軽い」


さっきのは気のせいかな、快活に笑う紫音はきわめて元気そうに見えた。


それに、私の不安や心配事なんて彼の甘い言葉と笑顔ひとつでかき消えてしまったみたい。


私が紫音の帰る場所。


キミのその言葉が真実だって思えるから。


なにがあっても、信じて待っていられそうな気がしたの。