溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

雲の上の人にいきなり話しかけられて、無下に断ることができそうにない。


それに断りにくいもう一つの理由。


いつのまにか彼の後ろにはお付きの人達が５人いて、私に無言の圧を送ってる。


執事というより、SPかもしれないと思うほど、みんな格闘家みたいにムキムキな身体でとても強そう。


色白でひょろっとしている執事の沢田さんとは対照的。


断ったらただではすみそうにない。


でも、天堂さんは穏やかそうな人だし警戒心が自然と緩んだ。


加えて、この学園の生徒達を代表する生徒会長っていう謎の安心感もあり私は促されるままにテーブルについた。


ほどなくして運ばれてきたのは、2人分のAランチのビーフシチュー。


目の前のテーブルに置かれると、おいしそうな香りがしてコクンと喉が鳴る。


「さあ、どうぞ」


「は、はい。いただきます」