溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
隣に座る天堂さんに促され、緊張しながらスプーンでシチューをすくって口に運ぶととろけるような深いコクと甘さに驚いた。


あれ、いつもよりも数倍美味しい気がする、なんでだろう。


「どう?」


「はい、凄く美味しいです」


「それはよかった」


彼は満足そうに微笑する。


もしかしたらVIPルームには同じランチといってもよりよい食材が使われていたりするんだろうか。


お肉も一口食べただけでいつもと違うことがすぐにわかった。


「あの、このビーフシチューはいつも食べているものよりも美味しく感じます。どうしてでしょうか?」


「ああ、わかる?1階の一般席よりもワンランク上のものをださせているんだ」


「はあ」


「ここは生徒会役員だけじゃなくてお客様の接待にも使っているからね」


「そ、そうなんですか……」

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