溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
執事VS御曹司
「そうだ、ここでまた時々一緒に食事でもしようよ。そうしてお互いに理解を深めていけばいい」


「え、いいんですか」


「うんもちろん、もっと君と仲良くなりたいと思ってるから」


天堂さんは満足そうに口角をあげてうなずく。


「あ、あの、ご親切にありがとうございます。
じゃあ、今度は紫音と一緒にこさせてもらいます」


嬉しくてにこにこしながらそう言うと、なぜか天堂さんの顔色が変わった。


「紫音……って、キミの執事の?」


「はい、3年生の執事科にいて」


「知ってるよ。とても有名だからね。だけど彼は連れてこなくていいよ」


「え……あの、それはどういう……」


紫音の名前を出した途端に、彼の口調が冷たくなった気がして戸惑った。


「如月さん、彼には君の執事をやめてもらったほうがいいんじゃないかな」


「え」


「彼は君の執事にふさわしくない」


ほんの少し前の優しくて紳士的な彼からこんな発言は想像できなかった。

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