溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「君はバケモノかい?相手は本物のSPだぞ」


からかうようにそう言った天堂さんは動揺するわけでも無く、ふてぶてしいくらい堂々としている。


「俺は執事兼SPですから」


紫音が不敵な笑みを浮かべると、小さく舌打ちをする天堂さん。


「ふん、ナイト気取りか、やっぱり僕は君のことが嫌いだな」


「へえ、気が合うな。俺も同じ。今までは何とも思わなかったけどあんたのこと嫌いになった」


紫音はいつもと口調が違うけど、理性的に話しているように見えた。


たぶん素の彼はこんな感じなんだろう。


天堂さんの方は苛立ちを隠そうとしない。


「でかい口を叩くなよ、たかが執事の分際で」


「俺はあんたの使用人じゃないから何を言おうが自由なんだよ」


確かに学年も同じだし、天堂さんの使用人ってわけじゃないから紫音がへりくだる理由はない。


「はあっ、君とはまともな会話にならないな」

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