溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「俺もあんたとこれ以上は話したくない。だがひとつ言っておく。若葉お嬢様には2度と近づくな」


「それこそ、僕の自由だよ。ねえ、如月さんさっきの話だけどようく考えておいてよ。君にとって悪い話じゃない」


天堂さんがいきなり私に声をかけてくるから驚いた。まるで、紫音をわざと煽っているみたい。


「はっ?黙れ」


案の定、紫音は天堂さんの胸倉をつかんでひきあげる。


「殴れよ執事、だけどよく考えてからにしろ」


「……っッ」


紫音を止めないと、もし殴ったりしたら大変なことになる。


執事の紫音が天堂さん相手に何かしたら学校側が黙ってはいないはず。


天堂さんほどの御曹司は、他とは格が違うってことくらい私にでもわかる。


生徒同士に上も下も無いっていうのは表向きの建前で、そうなったら紫音が執事失格で一方的に罰を受けないといけなくなる。


もしかしたら……これが天堂さんんの狙い?

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