溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
だとしたら、確かに気の毒な話だよ。


紫音も友達と敵対したくないよね、きっと。


そういうこと、もっと私に話してくれたらいいんだけど。


でもやっぱり天堂さんに関することだから話したくないのかな……。


 そんなことをあれこれ考えていたら、紫音と薫さんが教室に戻ってきた。


立派な花瓶にさっきの白い薔薇をいけて持ってきてくれている。


2人は談笑していたから、思わず会話に耳を澄ませる。


さっきとは表情が全然違う気がした。


あれ、紫音の機嫌が良くなってるみたいだ。


「助かった、ありがとうな」


「うん、それよりあんたもっと人に頼りなよ。
なんでもかんでも、1人で抱え込んでさー」


「そんなことないけど」


「あるよ、オーバーワークで倒れても知らないよ」
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