溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
そんな心配を汲みとるように彼は私の背中に手を添えて優しくこう言った。


「大丈夫です、お嬢様。俺に任せてください」


「う、うん」


「俺の後ろに隠れているだけでいいですから」


「わかった」


両手をグッと握りしめて拳を作る。


よしっ、頑張ろう。


紫音の成績にも関わることかもしれないし迷惑をかけたくない。


軽く準備体操をしてから桜組を半分に分けて、早速ドッジボールの対戦をすることになった。


普通のドッジボールなら小学生や中学生の頃にも少しはやったことがある。


だけど、この執事ドッジボールのルールはかなり特殊。


まず、ボールを当てられたらアウトっていうのは同じだけど……。


執事ドッジボールでは、主人だけが攻撃のマト。


その主人を守るためにボールにあてられたとしても、執事はセーフ。

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