溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
いつもならメイドさんにしてもらうのだけど、もういないから。


これまでは私の着替えや身の回りのお世話、美容関係等は専属執事といえど、男性の紫音はノータッチだったんだけど。


これからは、紫音に頼ることになりそう。


他にも朝の支度を彼に手伝ってもらえるようお願いした。


けどお互いまだ慣れなくて家を出る時間が予定より遅くなっちゃって。


でもなんとか遅刻は免れたみたいでホッ。


「お嬢様、足元がおぼつかないですね。教室までおぶっていきますよ」


「えっ、そんなのダメ。恥ずかしいもん」


「そんなに恥ずかしがるようなことですか?」


不思議そうに尋ねられたから慌てて付け足す。


「だって目立っちゃうから」


注目を浴びて悪目立ちしたくないよ。


「それなら、もう手遅れですけどね」


紫音は自分の背後を指差して苦笑い。
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